友人や同僚の妊娠を喜べないときの心の対処法
有名人や同僚・友人の妊娠、お腹の大きくなった妊婦さん、電車でみかける親子など、色々なところに「妊娠」が見られます。治療する前までは、特に気にもしなかった、そんな妊娠や子供に敏感になる、そんな時期は不妊治療をした方なら誰しもが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
今日は、そうした他人の妊娠に素直に喜べなくなった時、向き合えなくなった時、どう心を切りかえ、乗り切ればいいのか、について書いてみたいと思います。
つらく感じる部分
1、自分以外が簡単に妊娠できているような気がしてしまう
・私の方が先に結婚して、あの人は子供はいらないって言ってたのに、つらい不妊治療を続けているのに、なぜ自分の努力が報われないのか、他の人と比べてしまうことで不公平だと感じたり、自分だけが取り残されたような感覚になり、焦りを感じる。
・自分は不妊治療がうまくいかないのに、他の人はあっという間に、簡単に妊娠できたと感じる。
2、他の人の妊娠を喜べない自分の心の狭さが嫌になる
人の幸せを素直におめでとうと言えない、そんな自分の心の狭さや弱さを自覚してしまい、自己嫌悪。
3、つらい気持ちを吐き出せない。吐き出す相手がいなくて、つらい
自分でも、この気持ちを他人(夫であっても)にした時の反応や相手の私の見る目というのは、よくないと想像してしまい、なかなか言い出せない。自分の中で全部処理をしなくてはならないので余計つらくなる。
心の転換の仕方
1、ノートなどに「なにが」「どう」つらいかを箇条書きする
なにが不安なのか、なにで嫌な気持ちになるのかを書き出してみての気持ちの整理をする。箇条書きにすることで客観的にみることができ、ああ、ここが嫌だったのかと心が納得してくれる時もあります。漠然とした不安、理由が分からない不安というのが一番こわいのかもしれません。
2、「妊娠」からいったん距離を置く
こうしたつらい気持ちが続くというのは、精神的にもよくない状況であることは間違いないと思います。そんな時は、思い切って、いったん「妊娠」のことは考えずに、距離を置いて、心の充電をするというのも、とても大切です。
3、運動や趣味をみつける
「治療」だけに集中、というのはうまくいかないときはとてもつらくなってしまいます。趣味を持つこと、気分転換できる場所や、逃げ場を他に作るという事はとても重要です。昔、長期的な治療になってきてしまった患者様の1人が、「私は、治療していると考えるとつらくなるので、「趣味をたしなむ」ように考え方をかえました。不妊治療を新しい趣味だと思って、付き合っていくことにしました。」とおっしゃっていて、青天の霹靂でした。そうした心のあり方、発想の切替というのもとても大切ですね。
スポーツはホットヨガでも水泳でも好きなことでいいと思います。体を動かすことはストレスの発散になり、妊娠後や健康維持のためにもいいと思います。
4、新しいこと、もの、人に触れてみる
国内でも国外でもいいので、ここまで頑張った自分に、ご褒美を!とういことで、新しい文化・歴史に触れる、おいしいものを食べるなどのプチ旅行も気分転換の1つかなと思います。
また、子供ができてしまうとできなくなることの一つでもあるので、今しかできない、今のうちに行ってみるという考え方もいいかもしれません。
5、夜にネットで調べ事は避ける
夜寝る前に、目を閉じると急に、心配事がよみがえってきたりすることがあります。そこで、携帯で調べ始めると、さらに心配になることばかりが目に留まり、調べるのをやめられなくなり、余計心配になってしまい、眠れず「負」のループに入る方も多いと思います。
なので、寝る前は携帯を触らない。調べるなら日中調べるのが、よいと思います。
これは、妊娠判定前や失恋した時なんかも同じアドバイスをしたりします。
妊娠した友達にどうレスポンスを返せばいいかですが、
自分の感情がコントロールできず疲れきってしまっているときは、無理につらい気持ちに蓋をして、無理に喜んだりする必要はないと思います。
妊娠した友達は多くの人が祝福してくれ、自分はその中の大勢の一人でしかない、自分がおめでとうと言わなくても他の人が沢山言ってくれていると考えると少し楽かもしれません。
つらい時に、自分の気持ちに寄り添えるのは自分だけなので、自分の気持ちを第一優先に、出来る範囲で、たとえばLINEでおめでとうのスタンプを送るだけでも、それすらもつらければ、妊娠した方と一端少し距離をとっても私はいいと思います。嫌だと思った気持ちやつらい気持ちを否定せず、そう思えるくらい治療に真摯に向き合って頑張っているご自身をほめてあげてください。
こうした気持ちを抱く方はとても多く、これは自然な感情です。
自分の力ではうまく処理しきれない、どうにもできないと感じたときは、不妊のクリニックのカウンセリングなどをご利用ください。
こうした人に話せるだけでも、少しは楽になることもあると思います。
また、こうした気持ちを否定せず、新しいことや趣味、スポーツなどをして、自分で自分を追い込まないよう、「妊娠」との距離をうまくとって付き合っていきましょう。
フェニックス アート クリニックより。
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