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「リプロダクティブヘルス・ライツ」聞いたことありますか?

SDGsの目標の中に入っているリプロダクティブヘルス・ライツ(sexual and Reproductive health lights : SRHR)
リプロダクティブヘルス・ライツについて今回はフェニックス アート クリニック真壁友子先生に聞きました!!

 

リプロダクティブヘルス・ライツとは

リプロダクティブヘルス・ライツという言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
リプロダクティブヘルスとは〝性や妊娠・出産など生殖に関することにおいて身体的・精神的・社会的に良好な状態〟を指します。リプロダクティブライツとは産む・産まない、いつ・何人子供を持つかなど生殖に関することを自分で決める権利で、そのために必要な情報やサービスにアクセスできることを指します。1994年に国際人口開発会議で提唱され、2015年に国連で策定された持続可能な開発目標SDGsにおいても目標3「すべての人に健康と福祉を」や目標5「ジェンダー平等を達成しよう」においてリプロダクティブヘルス・ライツを保証することが記されています。

リプロダクティブヘルス・ライツについての課題

リプロダクティブヘルス・ライツについての課題は、国や地域の経済状況や文化、宗教等によっても様々です。途上国では安全な周産期医療が担保されておらず、妊産婦死亡や新生児死亡がまだまだ多い地域があります。また、若年齢の性的搾取や人身売買、性暴力、女性器切除などの課題を抱える地域もあります。世界には男性の同意なしでは外出できない女性、自身が何人の子供を産むのか決めることができない女性も多くいます。これらは先進国と発展途上国が手を取り合って取り組むべき課題と捉えられています。

日本における課題

日本においても様々な課題があります。ジェンダー不平等が先進国の中では特筆して大きいことや、セクシャルマイノリティへの理解が遅れていること、性暴力の問題は誰もが様々な場面で感じるところではないでしょうか。適切な時期に適切な内容の性教育を行うことは、リプロダクティブヘルスについての知識を身につけるのに最も重要であると考えられます。正しい知識を持つことは男女問わず自分や周りの人を理解し大切にする考えにつながると考えられ、性教育の拡充が求められます。

また、妊娠前からの健康管理として「プレコンセプションケア」の必要性が近年言われています。日本では若い女性のやせの増加、子宮頸癌検診率の低さ、葉酸含有サプリメント摂取率の低さ等が問題視されています。
様々な課題の改善について取り組みが進められていますが、その一つとして、2022年4月からの不妊治療の保険適用があげられます。不妊治療の保険適用により、金銭的な負担の改善だけでなく、不妊治療を受ける男女が仕事を続けながらなるべくストレスが少ない状況で治療が行える環境整備が求められます。

人としての根幹をなす性や生殖について、を意味するリプロダクティブヘルス・ライツを、男女問わず、障がいの有無問わず、年齢問わず享受できる社会の実現に向けて皆で考え取り組むべき課題は数多くあります。まずはそれぞれが課題を認識することから始まるのではないでしょうか。