「尖圭コンジローマ」とは
性感染症の一つ尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは性感染症の一つで、ヒトパピローマウイルスによる感染症です。ヒトパピローマウイルスと言えば、子宮頸癌を引き起こすウイルスとして有名で、ワクチンについての報道等で耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ヒトパピローマウイルスには100種類以上の型があり、尖圭コンジローマはそのうちの6、11型などの感染により引き起こされます。
性交渉により感染し、感染後3ヶ月ほどで外陰部の腫瘤や違和感、帯下増量、掻痒感などの症状を呈します。腫瘤の形態が特徴的で、外陰部や腟にカリフラワー状あるいは鶏冠状の腫瘤を形成します。免疫の状況により感染しても発症しない場合や症状を呈しても自然消退することもありますが、パートナー等への感染のリスクはありますし、カップルのいずれかがウイルスを保持していれば再感染し症状を呈する可能性もあるため、カップル共にしっかりとした治療が必要です。治療は外科的切除、レーザー蒸散、軟膏の塗布により行われます。病変消失後も早期の再発がしばしば見られるため、治療後3ヶ月程度は経過観察が必要です。
赤ちゃんへの発症リスク
乳幼児に発症する気道乳頭腫症は尖圭コンジローマと同様にヒトパピローマウイルス6、11型が原因とされています。感染経路は完全に解明されてはいませんが、尖形コンジローマ病変がある母親から経腟分娩で産まれた赤ちゃんへの発症リスクが高い可能性が指摘されています。産道を介した赤ちゃんへの感染を予防するため、分娩方法を帝王切開とした方が良い可能性があり、妊娠中の感染や発症の際には特に注意が必要です。このため、妊娠を希望している女性では感染予防、感染してしまった場合にはカップルでの適切な治療が必要な疾患と考えられます。
なお、現在接種可能なヒトパピローマウイルス感染症を予防するワクチンとして4価ガーダシル、9価ジルガードは6、11型への予防効果がありますので、今後ワクチン接種の拡大により尖圭コンジローマの社会全体における予防が可能となることが期待されます。
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