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【不妊治療の流れ 2】不妊症の初期検査
【動画あり】

フェニックス アート クリニック、藤原です。

本日は、前回の「不妊治療の流れについて」の続きの動画を作成しましたのでご紹介します。(Part2)

併せまして、テキストも掲載いたします。

それではここでは不妊症の検査につきまして一通り説明をさせていただきたいと思います。

不妊症の原因

まず一口に不妊症と言いましてもいろんな原因によって成り立っています。
例えば、まずは男性側と女性側、という風な区分ができます。

そして女性側の中にも、いろんな要素が含まれています。

具体的に申しますと、まずは排卵が順調かどうか。
そして卵管という受精卵であるとか、あるいは精子が通る管ですけれども、これに障害がないかどうか。
あるいは最終的に着床するような子宮なわけですけれども、ここに着床を妨げるような異常がないかどうか。
こういったことが原因として挙げられます。

それから男性側も精子がちゃんと作られているのかどうか。
そしてそれが通常の性交渉によってちゃんと射出できているのかどうか、といったことが検査のポイントとなると思います。

女性側の検査

排卵検査

まずは女性側の検査ですけれども、排卵に関しましては、まず問診レベルで生理が順調かどうか。
ということがまず第一のポイントになります。

ただ一見して定期的な整理用の出血があったとしても、それが必ずしも正常な排卵を意味するものではありません。
従いまして、もし可能であれば基礎体温をつけていただくことをお願いします。
ただし、心づけることが非常にストレスになってしまうという方もいらっしゃいますから、その場合には無理されなくても結構です。
あるいは、毎日つけていただかなったとしても1日おきでも結構です。
とにかくある程度のポイントが記録されていれば、それからだいたい排卵が起こっているのかな、というふうなことは推測が可能です。

ここまでは患者さんが自分でできる検査ですけれども、医療機関の方でしかできない検査としましては、一つは血液をとってそこに含まれるいくつかのフォルムを調べるということがあります。
これにも様々なホルモンがあります。

まずは脳下垂体という脳みその一部から出てくるホルモンで、卵胞の発育させるホルモンであるとか、あるいは卵胞が発育した後にそれを排卵させるホルモン。
そういったものが含まれますし、あるいは今度は卵巣の方からですね、卵胞の破竹とともにエストロゲンとホルモンが増えますし、さらには排卵の後には黄体ホルモンプロゲステロンというホルモンが増えたりします。

こういった一連のホルモンの流れというものを時期を決めて測定する、そしてそのバランスに異常がないかどうかを見ていくことは非常に大事なことになります。

もう一つ排卵関係で大切な検査としましては、超音波検査になります。
これは、卵子というのは非常に小さくて目に見えないんですけれども、先ほど申しました卵胞、これは卵子の入ってる小さな袋ですけれども、これは月経から排卵にかけてどんどん発育していきます。
だいたい2センチ前後になって排卵するというのが標準であるというふうに言われています。

従いまして月経周期からある程度排卵の時期を推定して、その少し手前で来ていただいて超音波検査を行って、どちらかの卵巣に卵胞が発育しているかどうかを調べさせていただく。
あるいは、それがしばらく経った後で排卵してなくなってしまうかどうかの確認をする。
こういったことは基礎的な検査としては重要であろうと思います。

排卵検査

2番目が排卵になります。
卵管というのは子宮の両側から伸びている約10センチ程度の非常に細い管です。
卵管と言う名前ですけれども、実際に卵子が単独で取ることはなくて、精子、あるいは受精卵の形でそこを取ることになります。

左右2本あるわけですけれども、片方だけの障がいでしたら、場合によっては妊娠をすることは可能かもしれませんが、両側とも障がいがあった場合には残念ながらそのままでは妊娠が望めません。
従いまして卵管の検査を行うことも非常に大切になってきます。

今一番情報量が多い検査としましては、造影剤というものを流しながらX線で透視をして、実際に子宮の中の空間、あるいは卵管の通りぐらいを直接視覚化する、子宮卵管造影検査、というのが一番量が多いものとなります。

ただこれは痛みを伴うということと、それから造影剤の中にヨードというのが入っておりますので、ヨードアレルギーの人、あるいはぜんそくなどアレルギーを持っているらっしゃる方はなかなかできにくいということになりますし、あるいは甲状腺疾患を持ってらっしゃる方も注意しておかなきゃいけないというところが問題点としてあります。

他にも通水検査つながりますけれどもこれはかなり情報量が落ちてしまいます。
そういった背景を考えながら、可能な方は子宮卵管造影検査を行って卵管の状態を把握する、ということが必要になってきます。

子宮検査

3番目が子宮自身の異常を見る検査です。

これは多くの場合は子宮筋腫であるとか、子宮腺筋症といった実質的疾患と呼ばれる腫れ物ができて分布によって子宮の形、それから大きさが変化することに起因しますので、超音波検査を行うことによって容易に判断できます。
あるいは超音波検査で異常が見つかった場合、より細かいところを調べるとした場合にはMRI検査という検査を行うことになります。
こうしたことによって子宮に異常がないかどうかの把握を行います。

男性側の検査

それから男性側の検査。
これはまずは問診レベルでちゃんと性交渉ができるかどうかということをお聞きすることも大事です。
最近はEDの方も増えてきています。

それから実際に精子が作られたかどうか、ということを調べる検査は射出精子を持参していただく、あるいはい院内で採っていただいたものを検査していただく精液検査というものを行います。

これは当院では機械化された精子自動解析装置というものを使用していますけれども、これによって精液量のみならず、精子の濃度あるいは運動性さらには運動精子の平均速度までも計測することができます。
こうしたものをWHOが決めております国際基準糖度を照らし合わせながら問題がないかどうかということを決めていく形になります。

妊娠は男女の共同作業

以上に述べた男女それぞれにわたる検査になるんですけれども、妊娠というのは男女の共同作業、もっと言いますと精子と卵子の共同作業なんですけれども、実は女性の体に入ってきた精子と言いますのは女性からすると異物になります。
例えばバクテリアであるとかウイルスのように排除されても文句は言えないですけども通常は受けられます。

ただ時として異物としての拒絶反応が起きてしまいます。
具体的に言いますと、精子不動化抗体という物質が分泌されてこれは精子にまとわりつくと全く動かなくなってしまいます。
したがって受精が起こらないという免疫性不妊と呼ばれる状態も起こります。

非常に頻度は少ないのですけれども、これを調べるためには性交後検査、あるいはフーナー検査とかヒューナー検査といった名前で呼ばれますけれども、こういったものを行っていくことによって判定できます。

それ以外にも、先ほど子宮の異常というところで超音波検査が有効です、と言いましたけれども、あるいは卵巣の方、骨盤の中にも異常が起こることがあります。

例えば炎症が起こって異常が起こってしまうとか、あるいは卵巣嚢腫だとか、特に最近多いのが子宮内膜症という病気によって生じるチョコレート嚢胞。

こういったものは不妊症の原因になりますし、治療に対しても非常に抵抗性を示したりする事もありますので、そういったものも事前に調べておくということも大切な要素になります。

まとめ

以上に述べましたような検査を一通り行うことによって、まずは不妊意志を検索すること。
ここで大切なことは一つだけじゃなくて複数個の不妊意志を持ってらっしゃるカップルもいらっしゃる訳でして、そうしたものを一通り検査した上で問題点を整理する、そしてその上で治療計画を立てていくということが非常に大切になります。

そうした上で有効な計画を立てる、それが早い妊娠への近道だという風に考えております。

以上、検査について一通り述べさせてきました。

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