卵子凍結という選択|妊娠率・必要な卵子数を正しく知る

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卵子凍結の種類
卵子凍結という言葉を聞いたことがある人も多くなってきたのではないでしょうか。卵子凍結は、がん患者などに対して妊孕性温存のために行われる医学的適応と、加齢による卵子の老化を懸念して行われる社会的適応の2種類に分類されます。世間でよく話題になっているのは、この社会的適応の卵子凍結です。
卵子凍結の種類
医学的適応
がんやがんによる放射線治療や抗がん剤によって将来の妊娠が望めなくなる可能性がある人
社会的適応
健康な女性が現状で出産する予定はないが、将来子供が欲しい時のために、加齢による卵子の老化を懸念して行う
社会的卵子凍結が慎重に考えられている理由
医学的適応については、日本産科婦人科学会、日本生殖医学会、アメリカ生殖医学会すべてにおいて推奨するとされています。それに対して、社会的適応については、日本産科婦人科学会では、「推奨も否定もしない」という曖昧な表現になっています。
社会的適応の卵子凍結がこのような推奨度になっている理由としては、POINTの3つが挙げられます。
社会的適応の卵子凍結における注意点
POINT
1. 凍結卵子を使用した場合の妊娠率の低さ
2. 健康な女性に対して採卵時の身体的負担
3. 高齢出産のリスク
とくに、1つ目の凍結卵子を使用した場合の妊娠率の低さに関してはあまり情報がないため知られていないのではないかと思います。
図表1はあくまでもイメージしていただくための例ですが、20個卵子を凍結したとしても、そのうち融解した後に生存しているのが16個、そのうち受精する卵子、胚盤胞になる胚…とどんどん数が減っていき、最終的に出産に至るためには、それなりの個数がなければたどりつかないことがわかります。
図表1 卵子凍結後出産に至るまでの卵子の個数の変化のイメージ

1人を出産するために必要な卵子数とは
では、いったい1人を生むためには卵子は何個必要なのか。図表2の論文では、90%以上の確率で1人を出産するためには、35歳以下では20個、42歳では100個という数字を出しています。ただし、この個数分卵子があれば、必ず1人妊娠できるという訳ではありません。その人の年齢以外の背景も重要になってきます。
図表2 子ども1人を出産するのに卵子は何個必要か?

凍結卵子を使用した体外受精の成績
図表3では、凍結卵子を使用した場合の体外受精の成績を表しています。
30歳~36歳の出産率が8%、37歳~39歳では3%となっており、通常の体外受精の出産率において、前者が約20%、後者が約10%であることを鑑みても低く、現段階で効率の良い方法ではないことがわかります。
図表3 凍結卵子を使用した場合のIVFの成績

また、社会的適応で卵子凍結を行った後、その人たちが卵子を使わずに、そのままというケースも多いため、統計をとる際の分母自体が非常に少ない点も、論文によって必要な個数や出産率のバラツキが大きく、しっかりとした数字を出しにくい原因の一つになっています。
卵子凍結をどう考えるべきか

現段階で社会的卵子凍結を行いたいと思う方たちが考えるほどの結果を担保できていないのが卵子凍結の現状で、あくまでも「おまもり」や「保険」といった意味合いが強いかもしれません。
しかし、女性の社会進出が進む昨今、卵子凍結の存在によって精神的余裕を感じ、仕事や育児にまい進できるようになる女性が増えているのもまぎれもない事実です。実態を正しく理解したうえで、卵子凍結を希望する女性が自分のタイミングで治療を受けられるよう、東京都を中心に支援の輪も広がっています。
フェニックス アート クリニックでは、卵子凍結を希望する方々に対して、専門的なカウンセリングと高度な医療技術を提供し、患者さん一人ひとりのライフプランに寄り添い、安心して選択できる環境を整えています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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