卵子凍結にかかる費用について

近年「卵子凍結」という言葉を耳にする機会が増えてきました。テレビや雑誌で取り上げられるだけでなく、SNSを通じても「卵子凍結を検討している」という声が見られるようになり、一般的なライフプランの選択肢のひとつとして広がりつつあります。
特に東京・渋谷区のように働く女性が多いエリアでは、キャリアと妊娠・出産の両立を考える中で「卵子凍結」という方法に関心を寄せる方が増えています。
しかし、検討を始めた多くの方が最初に疑問に思うのは「卵子凍結にはどのくらいの費用がかかるのか?」という点ではないでしょうか。
今回は、一般的な卵子凍結にかかる費用の考え方を整理し、助成制度についてもご紹介します。
INDEX
卵子凍結の費用はどう構成されるのか?
卵子凍結にかかる費用は、主に次の3つの段階で発生します。
1.採卵までの費用
排卵を調整するホルモン治療や採卵手技にかかる費用です。
卵子を複数個採取するためには、排卵誘発を行うことが多く、採卵当日の処置費用も含まれます。
2.卵子を凍結する費用
採取した卵子を凍結保存する際の初期費用です。
特殊な凍結技術(ガラス化保存)によって、卵子は液体窒素中で長期間保存可能になります。
3.保存を継続する費用(年間維持費)
卵子を長期間保存するための管理料です。
保存年数が長くなるほど、この費用は積み重なっていきます。
つまり、卵子凍結は「一度の費用」だけでなく、「長期保存を前提としたトータル費用」を考えることが大切になります。
では、実際にはどの程度の費用がかかるのでしょうか。
・採卵にかかる費用:数十万円程度
・卵子の凍結保存費用(初期費用):十万円台~数十万円程度
・保存費用(個数/年間):数万円程度
これはあくまで一般的な目安であり、採取できる卵子の数や保存年数によって変動します。また、施設ごとに費用体系が異なるため、正確な金額は各クリニックで確認する必要があります。
特に保存費用は「毎年かかる費用」であるため、長期的に考えるとトータルでは大きな金額になることもあります。そのため「何年間保存するのか」を事前にイメージしておくことが大切です。
卵子凍結の費用と年齢の関係
卵子凍結の費用は、年齢とも深く関わっています。
卵子は年齢とともに数が減少し、質も変化していきます。そのため、若い年代で採卵するほうが多くの卵子を確保できる可能性が高くなります。
これは「同じ費用をかけても年齢によって得られる卵子数が変わる」そして「卵子数により凍結保存費用も変わる」ということを意味します。
もちろん個人差は大きく一概には言えませんが、「いつ卵子凍結を行うか」というタイミングを考えることは、費用面から見ても重要な要素です。
※フェニックス アート クリニックでは、卵巣刺激や凍結個数などにより調節を行い、患者さんの状況に応じた形での卵子凍結を行っています。
自治体による助成制度 ― 渋谷区の場合
費用の問題を考えるときに、ぜひ知っておきたいのが自治体による助成制度です。
東京都では、不妊治療や卵子凍結に関する一部助成が始まっています。一定の条件を満たす場合に「卵子凍結にかかる費用の一部」を助成する制度があり、渋谷区に在住の方も対象となります。助成を受けるためには年齢や回数、助成額などに条件があるため、最新情報は以下の公式サイトをご確認ください。
東京都 卵子凍結に関する助成制度(公式サイト)
渋谷区 妊娠・出産に関する助成・サポート(公式サイト)
※ 重要なポイント
助成制度は「治療を受ける病院の所在地」ではなく「ご本人の住民票がある自治体」によって決まります。例えば渋谷区のクリニックで治療を受けても、住民票が新宿区にあれば新宿区の制度が適用されます。そのため、必ずご自身の居住地の助成制度を確認することが大切です。
卵子凍結にかかるトータル費用を考える
繰り返しますが、卵子凍結を検討する際は「最初の費用」だけでなく「将来までの費用全体」をイメージすることが大切です。
・採卵時にかかる費用(数十万円程度)
・凍結時にかかる費用(十万円台~数十万円程度)
・保存を続ける費用(毎年数万円程度)
例えば10年間保存する場合、保存費用だけで数十万円になることもあります。
また、将来その卵子を使って体外受精を行う際には、さらに別の費用が発生します。
つまり「卵子凍結そのもの」だけでなく、「将来の妊娠まで含めたトータルコスト」を見通すことが必要になります。
キャリアとライフプランの中で考える卵子凍結
費用を考えるとき、「高いか安いか」だけでは判断しきれない面があります。
なぜなら卵子凍結は、将来に向けたライフプランを検討するうえでの一つの手段だからです。
・「今はキャリアを優先したいが、将来子どもを持つ可能性を残しておきたい」
・「結婚や出産のタイミングがまだ定まっていない」
こうした状況にある方にとって、卵子凍結は将来を見据えた選択肢のひとつとなり得ます。

よくある質問(Q&A)
Q1. 卵子凍結の保存費用は、途中でやめることもできますか?
はい、保存期間は自由に設定できます。
毎年の更新のタイミングで「もう保存しない」と決めれば、その時点で費用は発生しません。
ただし一度凍結を終了した卵子は再び利用できなくなるため、慎重に判断する必要があります。
Q2. 卵子凍結後に体外受精をする場合、別途費用はかかりますか?
はい、将来卵子を解凍して体外受精に進む場合には、別途費用が発生します。
そのため「卵子凍結だけの費用」ではなく「将来の妊娠までを見据えた費用」として考えておくことが大切です。
Q3. どのくらいの年数保存している方が多いですか?
こちらも個人差がありますが、キャリア形成の期間を踏まえて5~10年程度保存する方が比較的多いといわれています。保存年数が長いほど維持費も積み重なりますので、ライフプランに合わせて計画することが大切です。

当院でのご相談について
卵子凍結を検討する際、費用のことだけでなく、
・いつ行うのが良いのか
・どのくらいの卵子数を目指すのか
・保存年数はどのくらいが妥当か
といった点も一人ひとり異なります。
フェニックス アート クリニックは、体外受精を専門とする施設として、卵子凍結に関しても多くのご相談を受けています。
「費用の見通しを知りたい」「制度の対象になるのか不安」「将来のライフプランを踏まえて相談したい」など、初めての方にもわかりやすくご説明いたします。
詳細は当院までお問い合わせください。専門スタッフが、医学的な側面と生活設計の両面からサポートいたします。
まとめ
卵子凍結にかかる費用は、
1.採卵にかかる費用
2.凍結にかかる費用
3.保存を継続する費用
の3つから構成されます。
一般的には「数十万円程度の初期費用+年間数万円の維持費」がかかるといわれています。
費用は決して小さなものではありませんが、それは将来のライフプランを広げるための選択肢を得るための投資でもあります。
「いつ行うか」「どのくらい保存するか」を考えると同時に、費用の全体像を理解しておくことが、納得感のある選択につながるでしょう。
フェニックス アート クリニックでは、卵子凍結に関するご相談を随時受け付けています。
将来に向けて安心できる選択をしていただけるよう、丁寧にサポートいたします。
卵子凍結のメリット、流れ、当院独自のシンプルな料金体系「卵子凍結パッケージ」などについて、詳しくはコチラ(卵子凍結ページ)をご一読ください。
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