お役立ちコラム

COLUMN

反復着床不全とENDOMETRIO(ERA EMMA ALICE)検査

Dr:『胚移植3回目だけど妊娠結果が出ていませんね。そろそろエラ・エマ・アリス検査していきましょうか。』

(はぁ、今回も結果が出なかった・・・胚移植したらすぐに妊娠すると思っていたのに・・・ところでエラ・エマ・アリスって何?)

 

こんにちは。

フェニックス アート クリニックです。本日は不妊治療で行う検査の中の一つ、エラ・エマ・アリス検査についてご説明します。

エラ・エマ・アリス検査とは

エラ・エマ・アリスは検査の英語名の頭文字をとった略称で、正式名称は

●ERA(Endometrial Receptivity Analysis):子宮内膜着床能検査

●EMMA(Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis):子宮内膜マイクロバイオーム検査

●ALICE(Analysis of Infectious Chronic Endometritis):感染性慢性子宮内膜炎検査

です。

胚移植で妊娠に至らなかった場合、基本的には受精卵の染色体異常が原因であることがほとんどです。ただし、質の良い受精卵を何度か移植しているのに妊娠の結果が得られない場合には(4個以上の良好胚を最低3回以上の周期で移植したにもかかわらず着床しない:反復着床不全といいます)、その一部20%程度に子宮内膜側の異常があると言われています。ERA/EMMA/ALICEはその子宮内膜因子に関する検査です。それぞれの検査でどんなことを調べるのか簡単に説明していきましょう。

 

検査の内容について

<E R A>子宮内膜はいつでも胚を受け入れることができるわけではありません。自然排卵周期では排卵後6日目頃、ホルモン補充下周期ではプロゲステロン開始5日後頃に受け入れ可能となると言われています。受け入れが可能となっているはずの時期の子宮内膜を採取し、遺伝子の発現を調べることでその時期の子宮内膜が胚を受け入れる状況かどうかを調べることができます。時期がずれていた場合には、胚移植の時間をずらしていくことで対応が可能です。

 

<EMMA・ALICE>子宮内の慢性的な炎症(慢性子宮内膜炎)があるかどうかを調べる検査です。慢性子宮内膜炎は無症状ですが着床を阻害するという報告が多数あります。EMMA検査では子宮内膜の細菌叢を網羅的に解析し、健康な内膜に多いとされる乳酸桿菌の割合を見ます。ALICE検査では慢性子宮内膜炎の原因菌を推定することができます。慢性子宮内膜炎と診断がついた場合には、適切な抗生剤の内服治療を行います。

かわいいキャラクター(エラ・エマ・アリスちゃん3姉妹)も設定されているのですが、検査自体は少し痛みを伴います。いずれも子宮内膜を採取する検査なので、この3つを一回の検査で同時に行うことが可能です。(ENDOMETRIO検査)

 

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