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妊娠に風疹が影響する??

妊活を始めるときに、
「風疹に罹ったことありますか?」「風疹の抗体を計ったことありますか?」
そんなことを医師に確認されたことありませんか?

今回は妊娠と風疹の関係性について、真壁友子先生に話を伺いました!!

妊娠中の女性は要注意

風疹は風疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。症状がほとんどない場合もありますが、高熱や発疹、関節炎といった症状を呈することが一般的であり、強い感染力を持ちます。一般の人が風疹を発症しても軽症で治り、自身の健康にはほとんどの場合問題ありませんが、妊娠中の女性が感染すると産まれてくる赤ちゃんに障害が生じる恐れが高いため、妊娠を希望する女性やその家族は十分に注意する必要があります。

赤ちゃんへの影響

妊娠20週頃までの女性が風疹ウイルスに感染すると産まれてくる赤ちゃんに白内障や緑内障などの眼症状、心臓疾患、難聴などをきたし、このような症状を来した状態を先天性風疹症候群といいます。妊娠初期に感染した場合により発症率は高くなり、妊娠4-6週の感染では100%の赤ちゃんが先天性風疹症候群を発症し、13-16週では50%程度に発症します。妊娠のごく早い週数における感染が問題となるため、妊娠前から風疹にかからないように十分に対策を取る必要があります。

予防接種について

風疹に罹患歴がある場合は、大部分の人が終生免疫を獲得するためほとんど心配要りません。また、2回の予防接種により95%以上の人が免疫を獲得すると言われています。このため、まずは自身が風疹に罹患したことがあるか、予防注射を接種したことがあるかを自身の母子手帳等で確認すると良いでしょう。これらが不明な場合には抗体検査 (自身が免疫を持っているか調べる) や予防接種を検討する必要があります。厚生労働省による先天性風疹症候群対策の一環として、抗体検査や予防接種を無料で施行可能にしている自治体も多くありますのでホームページ等をチェックして見てください。

同居家族が感染しないことも大変重要

また、妊娠中の風疹感染予防において、同居家族が感染しないことも大変重要です。パートナーの男性も自身が風疹に対する免疫を持っているか確認し、不明の場合には抗体検査や予防注射を検討することが妊活の一環として大変重要です。
風疹の予防注射は生ワクチン (風疹ウイルスの病原性をなくしたものが原材料) です。このため予防注射を受けてから2ヶ月間は妊娠を避ける必要があります。卵子への影響は全くありませんので採卵については予防注射の施行時期を考慮する必要はありません。胚移植は予防注射から2ヶ月空ける必要がありますので、予防注射を施行した場合にはぜひスタッフにお知らせください。

話を伺ったのは:
フェニックス アート クリニック 医師 真壁  友子