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COLUMN

妊活中の旅行について<後編>
〜不妊治療中のワクチン接種〜

みなさまこんにちは。

フェニックス アート クリニック院長の藤原敏博です。

妊活中の飛行機についてはお分かりいただけたでしょうか。

もし前編を読んでいない方はまずはこちらをご覧ください。

ワクチンについて

さて前編でも少し触れましたが、外来をしているとよくワクチンについて質問をされます。

 

・そもそもどんなワクチンがあるの?

・私はこの病気にかかったことあるっけ?その場合ワクチンは打つの?

・出張先が途上国で感染症があるみたいだけど、私は打ってもいいの?

・ワクチンがない感染症もある?

・主人が流行域から帰ってきたけど大丈夫?

 

上記のように一重にワクチンと言っても旅行だけにおいても様々な悩みが出てきます。

結論から言いますと、

 

妊娠中はもちろん、妊活中で妊娠の可能性がある場合においても生ワクチンの接種は原則として出来ません。裏を返せばよほどのことがない限り、生ワクチンで防がなければ行けない疾患が流行している地域には妊活中であっても渡航をお勧めしません。

 

妊活中のワクチンについて

 

もう少しワクチンについて見てみましょう。

妊活中のワクチンは大きく2つに大別しており、

① 妊娠中に胎児への感染を防ぐもの

②(インフルエンザや周囲、旅行先での流行などにより)母体感染を防ぐものに分けています。

 

に関しては現在妊活をしている方だけではなくこれからの妊娠を考えている方にも必須となります。

日本は先進国の中でもワクチン接種に対して遅れがちであり、2018年にアメリカのCDC(疾病対策センター)から風疹の流行状況により渡航自粛勧告を出されています。

妊活がこれからの方も、現在進行形の方も、まずは一度ご自身が抗体を持っているかを確認し、必要であれば接種をお勧めします。麻疹や風疹などの生ワクチンに関しては前後に2か月程度の避妊期間も必要となります。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

 

に関しては上記のとおり、生ワクチン接種を必要とする国への渡航はお勧めできません。一方でポリオや日本脳炎などの不活化ワクチンについては渡航先の状況によっては必要となる場合は接種をお勧めします。そのため妊活中の場合は、旅行先などで流行があるかを確認した上で、必ず当院(フェニックス アート クリニック)のスタッフに相談した上で接種をするか決めるのが良いでしょう(ワクチンは様々な種類があり、検疫所やトラベルクリニックでしか受けられないものもあります)。

 

ジカ熱、パートナーの渡航も要注意

 

また上記のワクチンで予防できるもの以外に一時期話題となったジカ熱も依然注意が必要です。アフリカ地域だけでなく、日本からの海外の渡航先としても選ばれることの多いアメリカ地域にもまだ流行が見られており厚生労働省などのホームページで最新の情報を調べておく必要があります。

 

・妊娠してなければ大丈夫?

・どうやって予防するの?

 

様々なサイトで妊娠中の注意事項は記載がありますが、実は妊活中やパートナーの渡航においても注意が必要です。

ジカ熱は蚊に刺されることにより、病原体のフラビウイルスによって感染し軽度の発熱(<38.5℃)、頭痛、関節痛などを起こします。発熱の頻度は36~65%と必ず起こる症状ではないため、症状だけでは感染をしたかどうか判断するのも難しいと考えます。

ヒトからヒトへの感染は極めて稀ですが、母子感染や性交渉などによる感染も起こります。流行域であるブラジルとアメリカの研究チームによるとブラジルでジカウイルスに感染した妊婦42人の超音波検査を行い、約3割に異常を認め小頭症を含む発育不全で、脳血流などに異常があるケースも見つかっています。

 

特に男性が感染した場合は精液中に長期間ウィルスが検出することも分かっており、発熱などの症状が無くても場合によっては8週間程度、妊活を延期し経過を観察する場合もあります。

 

このような地域に妊活中に渡航を考えている際はパートナーのことであっても当院のスタッフへ相談をするようにしてください。更に詳しい予防法や治療などは本院ホームページのフェニックス メディカル クリニックニュースにもありますので参照してください。

 

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