不妊治療における
検査機器の重要性
INTRODUCTION
フェニックス アート クリニックでは「当院にしかできない医療」を実現するために技術以外にも、検査機器などの設備面も重視しています。
というのも不妊治療は100組いれば100組の原因があります。その原因を1組1組しっかりと精査しない限り、型通りの治療を繰り返しても結果に結びつかない可能性があります。そして、このような検査を行えないが故に、見落とされてしまう原因が少なからずあります。
つまり技術だけがあってもダメで、これらの最新の機材の助けがあるかが、妊娠出来るかどうかの分かれ目になります。
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不妊の原因はエコーで見える疾患だけではありません
多くのクリニックは、不妊治療専門のため自院に不妊治療に必要なエコーはあっても、非常に高額なためMRIやCTなどの設備がありません。そのため何度も胚移植にTryしてうまくいかない時、初めて原因精査のために近くのMRI、CT、子宮鏡検査ができるそれぞれの施設へ紹介するという形をとります。
不妊の原因は、子宮筋腫や子宮内膜症のような目に見える疾患だけではない事が最近わかってきており、特に、着床分野の原因についての論文が幾つも発表され、最近の1つの大きなトピックとなっています。
子宮内膜での炎症(慢性子宮内膜炎)や、本来着床期には動きがないはずの子宮の蠕動運動がみられるケース、子宮内の癒着や子宮内膜に小さいポリープが出来る(マイクロポリープ)場合など様々な疾患が背景にあることがわかっており、これらの原因はエコー検査だけでは判別できません。自分にこうした原因があるのではないか、と疑った時から色々な施設を調べ、予約し、来院時にはまた不妊治療の経緯を1から説明をし、また、今回の検査の意図についても全て説明するという、時間的なロスと精神的なストレスは可能であれば避けたいところです。
更にこうしたMRIなどの機材は大学病院など限られた施設にしかないため、予約を入れるも、実際に受けられるのは数週間先と言った事もあります。 -
回り道のない「最短での妊娠」のために
当院の理念は、回り道のないお一人おひとりにとっての「最短での妊娠」です。
もちろん、他の採血やエコーなどで原因がわかる場合はこうした検査を行う必要はありません。
当院でも他に原因が見つからず、これらの検査が必要となるケースは増えてきてはいますが、大多数ではありません。当院では上記の3つの機材を時間的なロスなく使用できるように他院ではなく自院にこれらの機材を用意しています。
しかしそれでもこれらの検査を受けるとなると自院に検査機器を持つ当院でも2週間前後かかることがあります。
それでも一見して遠回りに見えるこの1-2週間が最終的に妊娠への近道であったり、妊娠した後の合併症などのリスクの早期発見へ大いに役立つため存分に利用していただければと思います。特にMRIは、被曝の心配や痛みがなく、一度に得られる情報も多いため、不妊治療の最初の検査に適しているといえます。
検査機器のご紹介
EQUIPMENT当院では、被爆の心配がなく、精密な組織検査が可能なMRIである、最新の1.5T(テスラ) MRI装置Vantage Elan Zen Edition(キャノンメディカルシステムズ社製)を導入しています。
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検査時間の大幅短縮
今まで30分程度かかっていた撮影も半分の15分程で行うことが可能。
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より高度な検査が可能に
細かい血管構造や精密な組織の様子まで観察でき、子宮の蠕動運動を観察するCineMRIも撮影可能。
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より静かで快適な検査環境
MRIは磁場の強さが大きいほど、検査中の音も大きくなりますが、このモデルでは従来の99%の静音化に成功し、耳栓などを使用せずに検査可能。
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不妊治療に特化した撮影にも対応
不妊治療に特化したCineMRIの撮影にも対応しており、実際の子宮の動きを動画で撮影することができます。
またレントゲンの機械ももちろんあり、子宮卵管造影の検査や採卵後の腹水貯留の評価などもスムーズに行うことができます。
次のレントゲン写真は子宮卵管造影の一例です。当院では造影用のチューブに細径のものを使用していますのでほとんど痛みなく検査を受けていただくことができます。
またMRIやCTでも見ることのできない子宮の中の状況については肉眼のように細かく見ることができる子宮鏡も兼ねそろえています。これらは入院を必要とせず外来でできる検査となります。
このようにいざ必要となれば、不妊の原因を徹底的に追及する設備を完備することで最短を目指す大きな武器としています。
時間の限られている女性の妊娠と出産において、これらの設備が皆様の妊娠のお手伝いになると信じています。