コラム

トゥルークリア(TruClearTM)ティッシュリムーバルシステム〔子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除器具〕が導入されました! 2020.08.07

 

 

子宮鏡手術とは?

子宮鏡とは子宮の中に入れる内視鏡のことで、検査(子宮内の観察)を行なうための柔らかく細めな軟性子宮鏡と、手術(ポリープや筋腫や癒着を取る)のための硬くて太めな硬性子宮鏡の2種類があります。

これまでの硬性子宮鏡は径が約10mmと大きいため、手術の際には子宮の出口を広げる処置(子宮頸管拡張術)を行わなければならず、それが強い痛みを伴うために全身麻酔を必要とし、そのため外来ベースで行うことはなかなか困難でした。

今回、新しく5mmの細径硬性子宮鏡TruClearTMが当院に導入され手術が開始されましたので、ご紹介したいと思います!

 

TruClearTMの仕組み・適応・その有用性・安全性


【TruClearTMの仕組み】
TruClearTMは5mm径の筒状で、先端側面に小さい窓が空いており、そこに対象物を吸引しつつ筒内部の刃でカットすることで細かく切りながら摘出していきます〔モルセレーションといいます〕。

 
【TruClearTMの適応】
5mmの細径子宮鏡で手術できるのは内膜ポリープ(単発・多発)となります。子宮筋腫は対象とはなりません。

 
【TruClearTMの有用性・安全性】

  • 5mmと径が非常に細いため、子宮頸管拡張術を必要としません。そのため基本的に局所麻酔のみで日帰り手術することが可能です。
  • 対象物を吸い込み機械の内部でカットするため、正常な組織などをカットする可能性が低く、高い安全性をもちます。

 
【TruClearTMの欠点】
局所麻酔で行うため手術時間が長くなると痛みが出てくる場合があります。ただ、実際にはほとんどの手術が5〜10分で終了します。

 

使用してみての感想

実際にTruClearTMを使用して素晴らしい!と思ったのは、これまでの硬性子宮鏡は針金を半円状にしたようなループ電極を対象物に引っ掛けて切除するため、ひらひらとした薄いポリープを切除するのは苦手でした(まさに暖簾に腕押しです)が、TruClearTMは吸引・切断するためそういったポリープも残すことなく簡単に切除できることです。また子宮壁が平坦になったところで切除は終了するので、子宮壁を削りすぎてしまうことがありません。そして、複数個のポリープがある多発性ポリープに対しては最も威力を発揮すると思います。

子宮内膜ポリープは頻繁にみられる疾患であり、これがあると胚〔受精卵〕の着床率を低下させてしまうため、今回このTruClearTMが導入されたことで、外来にて安全・迅速・有効に摘出することができることは、患者さんにとってとても大きなメリットになると思います。

〔文責:フェニックス アート クリニック藤原・田中〕
 

 
 
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